深い溝やアクセスしづらい部分を正確にスキャンすることは3Dスキャンにおける共通の課題です。ここではRevopoint 3Dスキャナーを使用した最適な方法を探っていきましょう。
◆角度を変えて精度向上◆
まずRevopoint MINI 2 3Dスキャナーで小さなオブジェクトのスキャンを開始します。水平方向からのスキャンで2回転させ約300フレームをキャプチャ。このクイックスキャンでオブジェクトの大まかな形状は取得できますが、深いくぼみやアンダーカット部分(脇の下のような領域)など、スキャナーの角度制限によって未スキャン領域が発生します。深度カメラとプロジェクターが水平方向からこれらの領域を捉えられないためです。
この課題を解決するため、スキャナーを90度回転させ垂直方向からスキャンする方法が有効です。安定した垂直スキャンのためには、三脚にスキャナーを横向きに取り付けるのが最適です。
◆スキャンテクニック◆
- 三脚から一度スキャナーを外し、横向きに再取り付け
- 深度カメラ設定のオリエンテーションボタンでプレビュー画面をポートレート表示に調整
- 垂直方向で再び2回転(約300フレーム)スキャン
- ポイントクラウドを融合
- 水平・垂直スキャンデータを比較すると、狭い溝の未スキャン領域が大幅に減少。肩部分など新たな死角が生じる場合もありますが、問題のあった溝部分の解像度が向上します。複数角度からのスキャンデータを統合することで、オブジェクトの幾何学的構造をより完全に再現可能です。
◆技術的背景◆
構造光スキャナーの仕組みを理解することが重要です:
- 中央プロジェクター(MINI2は青色光、POP3 Plus/RANGE2は赤外線)が構造化光パターンを照射
- 両側の深度カメラが反射光から3D形状を計測
- RGBカメラがカラー情報を取得
例えばマグカップのハンドル裏側など、カメラの視野から外れる「死角」が発生します。真空フィルターのような平行リブ構造の場合:
水平スキャン時:
- リブが隣接部分に影を落とす
- 溝底部が未スキャンに
垂直スキャン時: - カメラ角度が変化し深部まで可視化
- 連続スキャンによるフレーム統合で死角解消
詳細な解説はこちらを参照してください:
https://forum.revopoint3d.com/t/steamkraft-tutorial-revopoint-mini-2-3d-scanner/23832
◆実践的アドバイス◆
【対象物タイプ別対応】
複雑構造物:
- 機械部品や彫刻などは多角度スキャンとデータ統合が有効
高反射材質: - ガラス/金属面にはスキャンスプレーで反射抑制
マーカー活用: - トラッキング困難な表面にマーカーを貼付
【最適化のためのベストプラクティス】
- 多角度スキャンの実施(水平+垂直必須)
- 対象物の回転/位置調整で隠れた表面を露出
- マーカーによる位置合わせ精度向上
- 複数スキャンデータの統合
- 照明環境と露光設定の最適化
チュートリアル動画:
スキャン原理解説動画:
https://forum.revopoint3d.com/t/steamkraft-tutorial-revopoint-mini-2-3d-scanner/23832
これらの手法を組み合わせることで、従来キャプチャが困難だった微細なディテールまで忠実に再現可能な3Dモデルを構築できます。スキャン角度の戦略的な変更とデータ統合が、プロフェッショナルグレードの結果を得る鍵となります。
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